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毎日新聞より
西日本（九州と山口県を除く）の府県庁所在地と政令市で今年4月以降、熱中症で搬送された人が、少なくとも120人と、昨年4、5月の2倍に上ることが、各消防への取材でわかった。今年は5月中旬まで寒暖の変化が激しかったことが原因と専門家はみており、「今の時期は体が暑さに適応できていない可能性がある。こまめな水分補給を」と注意を呼びかけている。
神戸市では今月14日、訓練中の兵庫県警の警察官2人が熱中症で病院に運ばれた。湿度が68％と高かった。同15日は京都市で葵祭の行列観覧者2人が搬送された。最高気温は平年より約5度高い29.3度まで上がった。
関西・北陸、四国、中国（山口県を除く）の府県庁所在地と政令市で、昨年4月と5月に熱中症で搬送されたのは計56人。今年は大幅に上回っており、4月～今月26日までは京都市が最多の24人で昨年4、5月計10人の2.4倍。▽神戸市21人（昨年4、5月計7人）▽大阪市16人（同5人）▽堺市12人（同6人）▽富山市9人（同4人）▽広島市9人（同6人）▽和歌山市7人（同7人）－－と続く。
気象庁によると、西日本の平均気温は5月上旬は平年を2.1度下回っていたが、中旬は一転して1.1度上回り、急激に気候が変化した。下旬も高温傾向が続いている。一日の寒暖の差も激しく、大阪市では今月１４日、最高気温が30.3度の真夏日となった一方、朝の最低気温は17.2度で、差は約13度にもなった。
人は体温が上がると汗をかいて熱を外に放ち調節する。しかし、気温や湿度が高すぎると、体内の水分や塩分が大量に流れ出て体液のバランスが崩れ、体温調節の仕組みがうまく働かなくなる。立ちくらみや頭痛、筋肉のけいれんなどの症状が表れるのが熱中症だ。
気象業務支援センター（東京都千代田区）の登内道彦気象予報士によると、5～6月は体が暑さに慣れず、体温上昇を防ぐ仕組みが働かずに熱中症になる危険がある。熱中症の搬送が増えていることについて登内さんは「寒暖の差が影響している」とみる。日本救急医学会「熱中症に関する委員会」委員長の三宅康史・昭和大教授は「体調が悪くなったら、熱中症を疑うこと。服装をゆるめて冷たいものを飲むなど、体を冷やすと同時に水分を補給して安静にしてほしい」と指摘する。
気象庁は今年の夏は平年並みかやや暑くなると予想している。
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