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シックライフ・シックハウス症候群・化学物質過敏症・アレルギーなどに関する事柄について事務局よりお届けいたします。
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NPO法人日本住宅性能検査協会メールマガジンより

<内装工事の臭い>

(質問)

入居時、クロスの張替え直後だったので、臭いがきつく、気分が悪くなったので契約解除を申し入れたが、管理会社からは「自己都合となるので違約金が必要」と言われた。 納得できないが、従わざるを得ないのか?
 
(回答)

壁のクロスの多くは、塩化ビニール製のクロスですが、クロスの張替え直後は、クロスそのものに含まれている有機化学物質やクロスを貼るためののりに含まれているホルムアルデヒドやと呼ばれている有機化学物質が室内に溶け出してきます。

それが、「臭いがきつく、気分が悪くなった」原因だと思われます。

2003年7月の建築基準法改正によって、賃貸マンションなどでも、ホルムアルデヒドやクロルピリホスなどの使用が制限されるようになり、それ以前よりは、シックハウス症候群の発生は少なくなりました。

しかし、それでも、被害の発生が完全になくなったわけではありません。

通常、このような場合には、「ベイクアウト」と呼ばれている方法、すなわち、外出時に室内を締め切り、エアコンを「最高温度」に設定しておき、帰宅直後には、すぐに窓などの開口部をすべて開け、室内にこもった有害な化学物質を排出します。これを1週間程度続けると、本来なら、徐々に室内に溶出してくる化学物質が一気に出てきますので、1週間後には、室内に溶け出てくる化学物質の濃度がかなり低くなるのです。

入居直後、「気分が悪くなった」のは事実だとしても、だからと言って、「契約の目的が実行できない」とまでは言い切れませんので、いきなり、契約解除を申し入れても、借主の主張が認められることはないでしょう。

ベイクアウトなどの対策を行い、しばらく様子をみるべきですが、その間、どうしても住むことができないというのであれば、家主との交渉次第では、ホテル代などを負担してくれる可能性はあるでしょう。なお、アトピーやアレルギー体質、あるいは化学物質過敏症などの症状を持っている人の場合には、あらかじめ、クロスの張替えについて、どのようなのりを使うのかを確認し、場合によれば、クロスの
張替えそのものを行わないように申し入れて、自己防衛するほうがよいでしょう。


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