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毎日新聞より
建築士会、学会の独自指針も TVOC測定普及に期待
千葉氏緑区の会社員、福島良彦さん(41)は09年3月、新築の建売住宅を購入した。空気環境に
配慮した仕様になっていると聞き、「購買意欲が上がりました」と妻の恵子さん(36)。他に20戸ほど見て回ったが、「この家には新築特有のにおいが無かった」と話す。引っ越し後、アトピーがひどいかった次男(4)の肌の赤みが目立たなくなった。室内環境の変化がアレルギー改善につながったかは分からないが、恵子さんは「空気もクリアな感じがして、安心しています」と満足げだ。
住宅は、積水ハウス(本社・大阪市)が販売を始めた「ケミケア仕様」。合板の床材の接着剤を変えたり、独自の建材も使って、ホルムアルデヒド、トルエンなどの室内濃度を国の指針値の半分以下に
抑えた。千葉大との共同研究を生かし、排気だけでなく機械で外気を取り込む換気システムにする
など、工夫しているという。
価格は、標準仕様より坪当たり1万円程度の割高。今春までに250棟の販売を見込む。同社総合住宅研究所の山田裕巳課長は「使える建材が限られ、設計しにくいとの声もあったが、『F☆☆☆☆』(エフ・フォースター)さえ使えばいいという考えはもうやめたい」と話す。
「施主にヒアリングし過敏な体質でないか確認しておく」「建築前に可能なら建材の実物を施主に見せる」。京都府建築士会は、シックハウスなどのリスク低減のためのマニュアル「建築士のための海的空気質の住まいづくり指針」(仮題)を作成中だ。内府の医療や建築の専門家らで作る「住環境疾病予防研究会」(吉川敏一会長)との共同作成。施主と話し合い、車の排ガス、タバコの煙などへの感受性やアレルギーの既住を尋ねることを推奨する。また、内装材に気を付けても、接着剤や防腐・防アリ剤が原因になる場合もあるなどと注意を呼びかける。強調するのは「施主と業者側の相互理解」だ。
4月以降、研究会のサイト上で公開し、中小の施工業者にも情報提供していく。作成に携わった藤井義久・京大准教授は「建築基準法を守り、F☆☆☆☆の建材を使ってもトラブルになる例が絶えない。工程ごとの注意点のほか、医療機関や検査機関などの相談先、訴訟例なども紹介し、予防につなげたい」と話す。
複雑化するシックハウスに対応しようと、業界や専門家らの模索が続く。指針値の無い物質を含めてチェックする「TVOC」(総揮発性有機化合物)の濃度測定もその一つだ。改築が進む大阪府枚方市の市立中学校では、今夏の完工時にTVOCを測る予定。通常は割安でカラフルな塩化ビニールシートを張る廊下も、揮発物質の濃度が下がるよう天然リノリウムの床材を採用。机などの備品は早めに納品させ、生徒が使用する前に揮発するように時間を稼ぐ。同市施設整備室の寺西光治建設課長は「これからの公共施設整備のスタンダードにしたい」と見守っている。
TVOCは、国が「暫定目標値」として1立方メートル当たり400マイグラクロムと定めている。しかし、
数値を超えても直ちに健康に影響するとは言えず、一律に適用するにはハードルもある。東急ホームズEBH住宅研究所の関弘典・技術部長は、TVOC測定を肯定しつつも「木の香りも数値を上げてしまう。化学物質を使わなければ、十分な耐久性が得られなかったり、割高になることも多い」などと指摘。積水ハウスの山田さんも「入居を急ぐ施主の都合で、養生期間を十分とれないこともあり、新築の戸建住宅で一律に400マイグラクロムをクリアするのは厳しい。全国の検査態勢も現状では整わない」と話す。
他方、室内空気の測定を手掛ける財団法人「東京顕微鏡院」の瀬戸博・環境衛生検査部長は、TVOC測定を「シックハウス対策に必要不可欠なツール」と力説する。「測定データが全国で蓄積されれば、新たなシックハウスが起きた時、原因を突き止める端緒にもなりうる」と普及に期待する。
日本建築学会は10年、国と同じ数値を「学会基準」として採用した。TVOCを「潜在的悪影響の予防に役立つ」などと、対策の目安として評価。「全体を大まかに管理しようとすることが重要」とした。建材、施工法、換気などの問題が複雑に絡むシックハウス。その対策にも、柔軟で総合的な取り組みが求められる。
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