シックライフ・シックハウス症候群・化学物質過敏症・アレルギーなどに関する事柄について事務局よりお届けいたします。
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日本海新聞より
暮らしの中にあるさまざまな種類の微量な化学物質に反応し、体調不良に苦しむ「化学物質過敏症」。重症になると仕事や家事ができない、学校へ行けないなど日常生活に支障を来すが、社会的な理解は思うように進んでいない。数年前に発症した鳥取市内の24歳の女性は「鳥取県内では認知度が低く、医療機関や福祉現場の理解や支援も不十分」と訴える。現状を取材した。
症状さまざま
化学物質過敏症は環境病といわれ、化学物質が原因となり、頭痛やめまい、貧血やショック症状、呼吸障害、集中力・思考力の低下、精神的不安定などを引き起こす。症状は人によってさまざまだ。
鳥取市内の女性はたばこや友達のシャンプー、化粧品、バターなど食べ物の匂(にお)いにも反応し、「一番困難なのは、いつ何の匂いで体調不良になるのか分からないこと。健康な人が当たり前にできる行動が私にはできない」と悲観する。
シックハウス症候群が社会問題となり、建築基準法が改正されるなど法規制はできたが、発症者に対する支援はほとんど行われていないのが現状。シックハウス症候群も含め、国内の推定患者数は70万~100万人とする調査もある。
専門科がない
昨年10月からは、化学物質過敏症の病名で医師が保険請求できるようになった。だが専門診療科や診察する医療機関が地元にはないため、医師の診断書を必要とする場合は、昨年5月に岡山大学病院(岡山市)に開設された「化学物質外来」に出向く必要があるという。
県内では、市町村の福祉保健担当課などが相談窓口として対応しているが、女性は「総合病院でも聞き返される病名。耳鼻科やアレルギー科を受診しても医師の知識がないため診断できないと断られた」と指摘する。
今年2月、電気設備施工会社勤務で化学物質過敏症になった神奈川県在住の男性(40)の後遺症が、初めて労災認定を受けた。報道で病気の認知度も徐々に高まってはいるが、「働けず生活保護が必要になった場合、医療機関だけでなく福祉現場でも理解が進んでいなければ、果たして申請が認められるのか患者にとって不安は大きい」と女性は懸念する。
徐々に進展
一方、全国では行政による取り組みも徐々に始まっている。NPO法人・化学物質過敏症支援センター(横浜市)によると、香水や化粧品などの「香料使用自粛」を市民に呼び掛けている自治体もあり、公共施設や病院、学校などでポスターを掲示し、化学物質過敏症患者への配慮を求めている。
厚生労働省は今年2月、公共的施設を原則全面禁煙にするよう求めて都道府県に通知。神奈川県では、全国初の受動喫煙防止条例を施行するなど動きは進みつつある。
「花粉症と聞けばそれがどん女性は訴える。
な症状なのか、当事者でなくてもなんとなく答えられると思う。そんなふうに化学物質過敏症がもう
少し、県民に認知されるとうれしい」
化学物質過敏症 住宅建材や塗料、接着剤などに含まれるホルムアルデヒドや有機リン系薬剤など、微量の化学物質が許容量を超えることで発症。個人差が大きく、多種多様な症状が見られる。
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