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山陽新聞社より
太郎君は四歳のころから、おそばを食べると、くしゃみが出たり、のどがかゆくなり皮膚が赤くなるようになりました。五歳になったある日、お母さんが買ってきたそば入りサラダを一口食べました。まもなく、太郎君は口の中がかゆくなり、全身にじんましんが出て、せき込み、やがて、呼吸が苦しいと言い、意識がなくなりました。アナフィラキシーショックが起こったのです。
われわれの身体では自分とは異なると認識される物質(抗原=アレルゲン)が入ってきたときに、IgEという抗体が産生されます。よく知られているアレルゲンとしては、種々の食物(卵、牛乳、小麦、そば、ピーナツ、アルコール、魚など)、薬物(抗生物質、造影剤など)、ハチ毒などがあります。
産生されたIgEは組織の肥満細胞とか白血球の好塩基球などの表面に付着します。このような状態のときに再びアレルゲンが入ってきてIgEと接触すると、抗原抗体反応を起こしアレルギー現象を呈します。この症状は、皮膚の 発赤 ( ほっせき ) 、かゆみ、くしゃみ、せき、めまい、じんましん、腹痛、血圧低下、呼吸困難などです。
アレルゲンにより食物アレルギー、薬物アレルギー、ハチ毒(虫刺され)アレルギーなどと分類されていますが、これらのアレルギーはすべて、肥満細胞などから放出されるヒスタミン、セロトニンなどの化学物質が起こすものです。アナフィラキシーショックはアレルギーの重症型で、血圧が低下し、気管が 閉塞 ( へいそく ) して死亡することもあります。
太郎君がおそばを食べた後に出ていた症状は典型的な食物アレルギーの症状です。このようなことに気づいたときには、保護者の方は、お医者さんを受診してその可能性を診断してもらうことが必要です。もし、食物アレルギーであることが診断されたり疑われたら、アレルゲンとなっている食物を避けることがもっとも大切なことです。家族や本人だけでなく、学校の先生や友達の保護者などにも理解してもらうことが必要です。
しかし、ハチ毒などでは前に一度刺されたことがあるだけで、アレルギーがあるかないかわからないまま、二度目に刺されたときにアナフィラキシーショックを起こすことがあります。わが国では、年間三十人ほどがハチ毒によるアレルギーで死亡しています。また、最近ハムスターにかまれてショックを起こして死亡した例が報告されています。
もし、アナフィラキシーの初期症状(かゆみ、くしゃみ、皮膚の発赤、じんましん、めまい)が出たら、直ちに救急車を呼んだり、救急専門医がいるような病院に運ばなければなりません。アナフィラキシーでは数分から三十分程で、脈が触れないような低血圧、窒息を起こして死亡することがあります。しかし、早期に、専門医が的確な治療を行うと通常、死に至ることはありません。
また、アナフィラキシーの危険性が高い場合(アナフィラキシーショックになったことがある、多くの食物にアレルギーがある、ハチ毒アレルギーがあるがハチに接触する仕事である、など)の場合には病院へ行って、エピペン(エピネフリンという昇圧薬が内包された注射)を処方してもらうよう相談することをお勧めします。病院に運ばれるまでの間に自分で太ももにうつことが許されている注射です。健康保険が適応されず自費になりますが、子どもでも処方してもらえます。ただし、エピペンはその使い方や危険性を十分理解しなければなりません。
(氏家良人・岡山大救急部教授)
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