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産経新聞記事より
新学期が始まり、新小学1年生もそろそろ学校に慣れる頃。昨年末、食物アレルギーのある子供が給食を食べて死亡した事故があり、食物アレルギーの子供の保護者の中には新生活を不安に思う人もいるだろう。関係者に注意点などを聞いた。
事前に対応確認
給食が原因のアレルギー児の死亡事故は昭和63年にもそばが原因で起こっている。死亡事故に至らないまでも、給食で誤食し、アレルギー症状を起こすケースはこれまでにもたびたび起きている。中でも多いのが勘違いで食べてしまうケース。「少量なら大丈夫」「加工食品の成分に気づかなかった」などで原因食物を食べたケースも報告されている。
「アレルギー児を支える全国ネット・アラジーポット」専務理事の栗山真理子さんは「親は、子供が食物アレルギーであることを子供にしっかり教えてほしい。食べられない物は何か、食べるとどうなるかを説明し、他の子供と同じ物を食べられないことを理解できるような方法で伝えてほしい」と話す。
給食は親の目が届かないだけに、本人に食物アレルギーの自覚を持ってもらうことが何より大切だ。また、どんなに注意していても間違いは起こりうるので、症状が出たときの対応を事前に学校と具体的に話し合っておこう。
ここ数年、給食で食物アレルギーに対応して除去食や代替食を提供している学校が増えている。
しかし、人員や設備の関係で対応が困難な学校はまだ多い。できるだけ給食対応を望む一方、安全のためには弁当持参も選択肢の一つになる。
栗山さんもかつて、食物アレルギーだった2人の子供のために弁当を作っていた。おかずは給食の献立を参考に、給食よりちょっと地味目な内容を心掛けた。給食を食べている子供がうらやむような豪華なおかずで「あの子だけ良い物を食べてる」と思われないようにした。
「保護者は、アレルギーの子供は給食が食べられずかわいそうと思うかもしれないが、嫌いな物も残さず食べなければいけない給食が嫌な子もいる。周りへの気配りは必要だと思っている」と栗山さん。
文部科学省の「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」では、「学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)」の活用を勧めている。管理指導表は、学校での対応を希望する保護者に学校から配布され、食物アレルギーの原因食物やアナフィラキシーの有無を主治医に記入してもらう。地域や学校によって対応は異なるが、配布がない場合は学校に問い合わせてみるといい。
栗山さんは「食物アレルギーは誰もが普通に食べている物で死んでしまうかもしれない病気。疾患がない子供にもアレルギーの意味を理解してもらい、みんなが安全に楽しく学校生活を送れるようになってほしい」と話している。
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