シックライフ・シックハウス症候群・化学物質過敏症・アレルギーなどに関する事柄について事務局よりお届けいたします。
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山陽新聞社より
新学期、食物アレルギーのある子どもと保護者にとって給食のスタートは不安もあるだろう。昨年12月には東京の小学校で、乳製品にアレルギーのある女児が給食を食べた後、アナフィラキシーショックで亡くなる事故もあった。こうした中、総社市などの医師でつくる吉備医師会が対策に力を入れている。同会の上田美子医師(清音クリニック副院長、小児科)に家庭、学校へのアドバイスを聞いた。
「大切なのは情報共有とコミュニケーション」。上田医師は強調する。アレルギーの原因は乳製品や卵、小麦、魚介類など人によってさまざま。症状も十人十色だ。このため、保護者はわが子のアレルギーについて文書で学校へ伝えるよう勧める。
総社市教委は吉備医師会の協力で、独自の連絡書と緊急時対応表を用意。原因食品や緊急時の連絡先、かかりつけ医などを保護者と主治医が記入し学校に提出する。同市内の小中学生の3%弱に当たる約150人が利用している。
さらに、担任教諭や給食担当職員とこまめに連絡を取り、信頼関係をつくるよう保護者に呼び掛ける。
学校はどう備えればいいのか。「緊急時も考え、担任教諭だけでなく、全ての教職員が食物アレルギーのある子のことを知っておく方がいい」と上田医師。緊急時対応表などは担任が持つだけでなく、職員室や保健室にも置くと周知できる。また、配膳時はミスを防ぐため、子どもだけに任せず複数の教諭で確認する。
それでも、誤食した場合は「迅速な対応が大切。救急搬送など必要な処置がすぐできるよう職員であらかじめ役割分担を決め訓練してほしい」と訴える。
アナフィラキシー症状を緩和する自己注射薬「エピペン」の処方を受けている児童も増えているが、「いきなり使うのは難しい。学校で講習会を開くなど、使い方を練習しておく必要がある」。保護者も子どもに薬の必要性を理解させ、注射への恐怖心を取り除いておく。
児童や保護者が誤食と同じくらい心配しているというのが周囲の受け止め方。「なぜ除去食なのか、担任教諭が他の児童にも説明し、クラスで理解してほしい」と上田医師。さらに「原因食品として多い卵や牛乳などは減らしていくことも将来的には考えてほしい」と提案している。
<アナフィラキシー>
じんましんや嘔吐(おうと)、息苦しさ、めまいなど短時間で激しい症状が現れるアレルギー反応。特に血圧の低下や意識障害を引き起こす場合はアナフィラキシーショックと呼ばれ、生命に危険が及ぶ恐れもある。症状を緩和する自己注射薬「エピペン」は、教師や保育士が本人の代わりに打つこともできる。食物のほか、ハチの毒などでも発症する可能性がある。
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