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gooビジネスEXより
今回は、シックハウス診断士、荒川航平さんにインタビュー。最近では社会問題にもなっているシックハウス症候群ですが、その原因を究明し根絶する診断士の仕事においてにいちばん必要なのは「嗅覚と経験」と荒川さんは言います。シックハウス診断士、さらには臭気判定士というふたつの資格を持つ荒川さんに、その仕事の内容とやり甲斐の大きさについて聞きました。
近年、シックハウス症候群が社会問題化するなかで、建材や家具などに対するシックハウスの原因になる化学物質の使用規制が進んでいるが、と言ってシックハウス症候群に悩む人が減っているかと言えば、そういうわけではないと荒川さんは言う。
「確かに、規制が進んで、いわゆるホルムアルデヒドが使われる量は明らかに減ってきていますが、最近ではそれに代わる別のものを使うようになってきているんです。だから、ちょっとした“いたちごっこ”状態になっている部分がありますね。それに、最近は建物の高気密化、高断熱化によって臭いがこもりやすくなっているので、昔の構造では問題にならなかったようなカビや化学物質が原因になることもあります。なので、規制が進んだから減ったという感覚はまったくないですね」
というわけで、荒川さんは数カ月先まで診断に出かける予定が埋まっており、連日個人の家から企業の建物まで様々な現場に出かけている。
「ほとんどは、“どこからか異臭がする。何の臭いかわからないから、とにかく来てくれ”というケースです。また、最近では家を建てるときにシックハウスの問題を気にする人が増えていて、工務店さんから“問題ないことを証明しておきたいので来てくれ”というオーダーを受けるケースも増えています」
現場では、アクティブ・ポンプという機材を使うなどして対象となる建物内の化学物質の濃度を厳密に測定するわけだが、そうした作業のベースにあるのは診断士の嗅覚、つまり臭いを嗅ぎ分ける能力、そして経験だ。
「何か臭っていれば、その建物に入った段階で発生原因、発生箇所はだいたい特定できます。一度嗅いだことのある臭いならすぐわかりますから。嗅いだことのない臭いは徹底的に調査して究明して、それをまた自分たちの知識としてインプットするわけですから、現場では圧倒的に経験がものをいう
仕事ですね」
原因がわかると、今度はその原因を絶つ作業に入る。
「対策としては、原因となっている化学物質を強制的に揮発させてしまう方法と、全部分解してしまう方法があります。たとえば、原因になっている化学物質が壁紙から出ているからといって、それを張り替えても、張り替えるのに使った接着剤などが新たな原因になる場合もあります。なので、現状の原因になっている化学物質を根絶してしまうのがいちばんいいんです。一度、完全に絶ってしまえば、たとえば新たに家具を持ち込むとかそういうことをしない限り、再発することはありません」
その仕事の内容を聞いていると、診断士というよりはむしろ建物版“赤ひげ”という印象で、実際のところ方々でさじを投げられた原因不明の持病を治療してくれる“名医”ぶりを発揮している。
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NPO法人シックハウス診断士協会監修
「シックハウス診断士補(二級)」の
受験テキストです。
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