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日本経済新聞より
「シックハウス症候群」の人は、家にいると目が痛くなったり気分が悪くなったりする。70種類にものぼるとされる化学物質が体に異変を引き起こすからだ。国の規制対象外の物質もたくさん潜み、症状を悪化させているようだ。冬場でも定期的に窓を開けて換気することが大事だ。
千葉大学柏の葉キャンパスに建設された一般的なモデル住宅。予防医学センターの戸高恵美子准教授は足を踏み入れた途端に違和感を覚えた。空気から「クロロエタン」が検出された。出所は電気式の床暖房の断熱材だった。ガス式の床暖房からは「ペンタン」が発生していることも分かった。
厚生労働省はシックハウス症候群対策として、ホルムアルデヒドやトルエンなど13種類の化学物質について室内濃度の指針値を決めている。今回、床暖房から見つかったクロロエタンやペンタンは、
ここに含まれていない。
住宅内に潜む「規制外物質」の健康リスクが高まっている。千葉大予防医学センター長の森千里教授らは、建売住宅から約70種類の物質を検出。家具や家電製品の購入しだいでは、さらに増える
可能性もあるとみる。
天然成分が悪さも
室内の化学物質に関しては、厚労省が総量目標を設定する。1立方メートル当たり400マイクロ(マイクロは100万分の1)グラムまでで、13物質の総量で下回っても、他の物質を加味すると超えるケースが出てくる。
東京都健康安全研究センターと千葉大の研究では、新築住宅で防腐剤「ジクロロメタン」、樹脂系接着剤「メチルシクロヘキサン」などが2千マイクログラム以上検出された。木材から発生する天然成分も高濃度に検出され、人体に悪さを働く可能性がある。
400マイクログラムという総量目標が、化学物質に敏感な人には高いという見方もある。森教授は特定非営利活動法人(NPO法人)ケミレスタウン推進協会を通じて、化学物質に敏感な人がシックハウス症候群を防ぐには、250マイクログラム以下に抑えるべきだとの目標値を11月に提示。市民からの意見を募っている。
自分の体質を知る
住宅内の化学物質をゼロにできれば理想だが、そう簡単にはいかない。リスク低減に向けた予防の第一歩は、自分が化学物質に対して敏感かどうかを知ることだ。森教授は「ケミレス必要度テスト」を開発。グーグルなどの検索エンジンで調べればすぐに引き出せ、試すことができる。
テストは漂白剤や衣料用洗剤などを使った際に、どの程度の異変が起きたかを「0」~「10」までの11段階で評価する。「1と2の違いを気にする必要はなく、直感で数字を選んでほしい」と森教授は助言する。
ひどい症状を出さないようにするために大切なのが部屋の換気だ。シックハウス症候群の患者を多数診てきた東海大学医学部の坂部貢教授は換気扇の上手な利用のほかに「定期的に窓を開けることが必要」と訴える。マンションの上層階に住む人は、ドアを開けて空気を入れ替えたい。
接着剤などから蒸発する化学物質の量は、気温が高くなると増える。冬場だからといって油断するのはよくない。高気密の住宅が室内に化学物質を蓄え、燃焼式ファンヒーターが空気を汚す。寒くても
定期的に窓を開けるよう心がけよう。
換気のほかには、家具や家電製品も慎重に選びたい。接着剤の使用などを抑えた製品を選ぶのは大事だが、まとめ買いを控えることも重要だ。食器棚や本棚などをまとめて買えば、どれが発生源か分からなくなる。シックハウス症候群は、自身が影響を受けている発生源を取り除けば症状が治まるので、発生源を特定できる状況にしておく。
これから住宅を購入したり賃貸契約したりする人は、下見に行った際に、目やのどが痛くならないか、意識することも重要。賃貸物件で違和感を覚えたら、「不動産会社に以前住んでいた人の引っ越し
理由をたずねるのは一つの手」と坂部教授は助言する。
シックハウス症候群を引き金に、化学物質への過敏性が慢性化し、化学物質過敏症になる人も少なくない。こうなると車の排ガスなど日常生活の様々なシーンで影響を受けて、生活が不便になる。しっかりと予防を心がけていく必要がある。
NPO法人 シックハウス診断士協会
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