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産経新聞記事より
蒸し暑い梅雨の時期から夏にかけては毎年、汗による「かゆみ」や「赤み」などの肌トラブルに悩まされる人が多い。しかし、かきむしってしまうと症状を悪化させ、痕にもなりやすい。専門家に対処法を聞いた。
あせもと違い
「よしき皮膚科クリニック銀座」(東京都中央区)にはこの季節、汗によるかゆみなどの肌トラブルを訴える患者が多く訪れる。
吉木伸子院長は「かゆみの原因は、おなじみの『あせも』であることが多い。しかし実は、あせも以外の『汗による接触性皮膚炎』のケースも目立っています」と説明する。
吉木院長によると、あせもは、スポーツなどで急激に大量の汗をかくことで汗腺(汗が通る管)が詰まり、皮膚の下に汗がたまって発症する。大人に比べて体温が高く発汗しやすい子供に多く見られ、できやすいのは首や肘の内側、膝の裏側などだ。
一方、「汗による接触性皮膚炎」は、服などで密閉された体の一部分に汗がたまって現れる「かぶれ」のこと。男性の場合はワイシャツの襟元やズボンのベルト部分などに、女性の場合は下着のゴムなど締め付けられている部分にそれぞれできやすい。
症状は、皮膚の赤み、ざらつき、ポツポツとした湿疹など。激しいかゆみのため、仕事などに集中できない人もいる。女性の場合、蒸れやすいデリケートエリア(陰部)に接触性皮膚炎を起こしているケースもあるという。吉木院長は「特に40代以降になると、皮膚が薄く弱くなり、汗に含まれる塩分などの成分が刺激となり、『かゆみ』や『かぶれ』の症状が出やすくなる傾向があるようです」と指摘する。
かかない
あせもも汗による接触性皮膚炎も予防の基本は蒸れないように工夫することだ。
まずは、綿素材など通気性の良い素材の下着や洋服を身に付ける。体を締め付けないようにすることが重要で、男性の場合はベルトを締めすぎずに少し余裕を持たせたり、女性の場合はストッキングはショート丈のものにしたりして通気性に気を配る。
また、皮膚が乾燥していると汗の刺激でかゆみが出やすいので、適度な保湿が必要。入浴後、サラッとしたタイプの市販の保湿液を乾燥しやすい首やおなかなどの部分につけると良いという。
また入浴時、洗いすぎにも気をつける。硬いタオルでこすらない▽ボディーソープなどを大量に使いすぎない-ことが重要で、せっけんと柔らかい綿タオルなどで洗うのがベストだ。夏は1日2回シャワーに入る人もいるが、せっけんの使用は1日1回までにする。
あせもの場合は強いかゆみを伴うことは少なく、汗をかきすぎないように気をつけてさえいれば、放っておいても数日で治ることが多い。ただ、接触性皮膚炎の場合はかゆみが強いことがあり、かいてしまうと皮膚を傷め、細菌などが入り込んで炎症を起こし、症状が悪化してしまう可能性がある。吉木院長は「かゆみが治まらなければ、かゆみ止めが入っている市販の塗り薬を塗るのも一案です」とアドバイス。それでもかゆみが治まらない場合は、皮膚科で医師の診察を受けることを勧めている。
首回りの肌トラブル男女とも6割超
「ユースキン製薬」(川崎市川崎区)は5月、全国の10~80代の男女877人に汗による肌トラブル(あせもや汗による肌荒れ)について調査した。
それによると、「あせもや汗による肌荒れになりやすい場所」で一番多かった回答が「首回り」だった。男性63.7%、女性68.2%。次いで多かったのが「背中」で、男性34.4%、女性42.1%だった。
男性で目立ったのは「おなか回り」(21.7%)。ズボンのベルトと下着のゴムが重なって締め付けられている部分が肌トラブルになっていた。
女性の3位以下は、ひじの内側▽胸回り▽おなか回り▽お尻▽膝の裏側▽わきの下▽腕-の順で、多岐にわたっていた。
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