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シックライフ・シックハウス症候群・化学物質過敏症・アレルギーなどに関する事柄について事務局よりお届けいたします。
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神奈川新聞より

神奈川県立保土ケ谷高校(横浜市保土ケ谷区川島町)で2004、05年にシックハウス症候群とみられる頭痛や吐き気などを生徒や教職員が訴えた問題で、当時同校に勤務していた男性教諭が30日、県を相手に健康被害の損害賠償として約4723万円を求める訴えを、横浜地裁に起こした。
 
県の調査結果によると、04年に同校の屋上防水工事で塗られた有害な揮発性有機化合物が建物内に拡散。弁護団によると、県が校舎の使用停止を決めたのは工事から6カ月後で、全校生徒のほぼ半分に当たる308人が体調不良を訴え、教員も含めた計7人がシックハウス症候群と診断された。
 
原告は、同症候群と診断されたうちの1人で、横浜市の柳沼英夫教諭(55)。同教諭は「工事中に異臭や体調不良を訴える教員がおり、当時、速やかに対処していれば、健康被害は避けられた」と県の責任を指摘している。
 
県教育委員会の山本正人教育長は「訴状を見ていないのでコメントを差し控える」としている。


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佐賀新聞の記事より

シックスクールやシックハウス症候群を引き起こす原因物質ホルムアルデヒドの濃度が、佐賀市の
小中学校の3割で国の基準を超えていることが、佐賀大学の学生グループの調査で分かった。

調査は昨年8月、佐賀市教委の委託を受け市内の小中学校54校104カ所で実施。
教室を閉め切って高温多湿の環境を作り出し、ホルムアルデヒドなど約30種を測定した。

基準値を超えたのは、ホルムアルデヒドが31カ所(29・8%)で、1立方メートルの空気中から基準値の4・6倍となる463マイクログラムを検出したカ所をもあった。さらに、発ガン物質とされるアセトアル
デヒドも4カ所から、その他の物質の総量(TVOC)も1カ所で基準値を超えた。

分析の結果、教室の種類と濃度に相関関係がみられた。音楽室の濃度が特に高く、ピアノなどに
使われる合板などの影響が推測できるという。逆に、シンナーなど溶剤の使用を想定して換気装置を
備えている図工・美術室は低かった。

また、換気扇と空気吸入口の設置状況も調査した。換気扇と吸入口のどちらか一方だけの教室では、十分な換気ができていないことも分かった。

指導した同大医学部の市場正良教授は「特別教室は利用頻度が低く、換気の機会が少ないようだ。十分に換気しながら利用してもらいたい」と話している。

佐賀市教委は調査結果を、学校施設の改修などに活用する方針。データの公表については「近く、
集計して学校名なども含めて公表したい」としている。


【シックスクール】
学校施設が原因の有害物質で起きる健康障害。めまいや頭痛、吐き気、のどの痛みなどの症状が見られる。ホルムアルデヒドは接着剤の成分で、建材などに広く使われている。揮発性で建材から
空気中に放出されるが、強い毒性を持つ。建築基準法で使用制限が設けられている。



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毎日新聞記事より

学校の理解こそ不可欠

たとえ微量でも体調が崩れる化学物質過敏症(CS)になった子どもたちが学校内の化学物資に反応して苦しむ「シックスクール」の問題が絶えない。多くは、学校側がこの深刻な病気を理解しないために起こっている。

6年前にCSの3兄弟を定時制に受け入れた大阪府立北野高校を成功例として記事にしたことがあるが、その経験は生かされていない。当時の北野高校長の中垣芳隆さん(63)に内情を詳しく尋ねる機会があり、解決策を探った。


建材や教科書から

CSは建材などから出る化学物質を大量に吸ったことを契機にかかる。今秋には、電子化診療報酬請求書(レセプト)で使われる病名リストに登録される予定だ。シックスクールは、学校のワックスや殺虫剤などの化学物質に反応し、頭痛、鼻血などの症状が出る場合を言う。子どもは学校を避けることができず、深刻だ。

私は約7年前、この問題の取材を始めた。その後、教科書から放散される化学物質の対策に教科書協会が取り組んだ。

北野高も03年、他の高校や中学で配慮されずに症状を悪化させていたCSの兄弟の受け入れを決めた。同校が07年3月に3人を卒業生として送り出すと、「一つの道筋ができた」と私は安堵(あんど)した。改善に向かっているように思えた。

しかしながら、別の学校で「CSなのに配慮してもらえない」という訴えが何度か耳に入ってきた。そんな悩みを持つ母親らによる「子どもをとりまく環境を考える会」が今年7月、中垣元校長を大阪府箕面市に招いたのを機に改めて取材した。


北野高の取り組み

中垣さん(現・大阪女学院大教授)は、大阪府教育委員会で長年、受験対応を担当し、さまざまな障害を持つ子どもに配慮する立場にあった。北野高の校長になって1年弱、CSの兄弟の受験が舞い込んだ。

中垣さんは「大阪府内に住所があって、応募資格があり、学びたいならば、安心して受験してもらわなければならない」という方針を示した。これは府教委の経験からいっても当たり前という。当時の定時制の教頭をはじめ教職員も同じ思いだったという。

定時制を受験すれば、合格する可能性が極めて高く、授業の際にもきめこまかく対応することになった。事前に兄弟から状況を聞くと、教室には入れそうにない。そこで、天井はあるが吹き抜けになっていて、全日制の運動部が雨天に練習するピロティー部分を受験場とし、入学後も「教室」とすることにした。

3月の定時制の職員会議。兄弟の担任は、化学物質を避けるため、口紅や整髪料などの化粧品なしの「すっぴん」が求められると説明した。すると、男女2人の教員が「私が担任を」と手を上げた。希望の理由は、さまざまな人を教える定時制の教員が「しんどい思いをしてでも、学ぼうとしている人に寄り添いたい」と熱意を持っていたからだという。

事務部長は近隣自治会の役員に「子どもたちが通学できなくなるので、農薬散布を控えてもらえませんか」と依頼した。中庭の緑化事業でも「学びの支障にならないように」と化学物質に気を配った。3人の在学中は、影響する恐れがあるワックスを塗らないことにもした。

中垣さんは「教頭や教職員、自治会の人々らの善が集まって3人の兄弟が支えられたのか、3人がみんなの善を引き出したのか」。他の学校での苦い経験を持つ3人の母、入江昌子さん(52)と北野高との共同作業でもあった。


現場の認識いまだ

では、北野高では何か特別な働きかけを府教委にしたのだろうか。中垣さんの答えは「いいえ」だった。

設備といえば、真冬の吹きさらしの「ピロティー教室」を囲むむくの木のついたてを確保したが、100万円以下だった。兄弟の担任への非常勤講師料は一般の障害者予算枠で確保できた。「やる気にさえなれば、対応できる」と言うのだ。

中垣さんは「兄弟が入学した翌年は、北野高の全日制の大学進学がとても良かった。兄弟が悪条件の中で懸命に学ぶ姿勢に生徒たちが影響を受けたと思っている」とも強調する。

だが、現実は厳しい。

他の学校でのCSの子どもに対する対応を知るとあまりにもギャップがある。母親がワックスの塗布について配慮を頼むと、「みんなの施設を維持しなければならない。一人の子どものためにみんなを犠牲にできない」などと言われるという。確かに、CSの子どもに初めて接した人は「こんなものに体が反応するはずがない」と困惑する。


学びの熱に応えよ

大阪府は05年、「子どもにも配慮したシックハウス対策マニュアル」を作成した。しかし、各地の教育委員会や学校などには行き渡っていないか、存在が知られていない現状がある。

中垣さんは「北野高での経験は組織的には、途切れてしまった。私も、ほかの学校にもCSで苦しんでいる子がいるということに十分思い至らなかった」と反省も口にする。

中垣さんの話を聴いた有志は大阪府教委に対し、府教委独自のシックスクール対応マニュアルの作成や、関係部署への働きかけもできる相談窓口の設置を要望した。学びたい熱意に応えるためにも、教育関係者の間で問題意識の共有化を早く進めてほしいと思う。



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河北新報の記事より

宮城二女高の仮設校舎(仙台市太白区)で生徒が相次いでシックハウス症候群の症状を訴えている問題で、県は21日、精密検査の結果をまとめた。教室や体育館など9地点を測定した結果、音楽室で指針値の約5倍の化学物質が検出された。

特に高い測定値で検出された物質は「リモネン」など樹木に含まれる物質で、壁の下地材から拡散しているとみられる。現在、下地材の一部を切り取って成分検査を実施。結果が判明し次第、拡散防止、換気方法などの対応を決定する。
宮城二女高では、症状を訴える生徒ら22人が通院。教員1人を含む4人がシックハウス症候群と診断された。



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日経BP社 ケンプラッツより

大阪大学は4月22日、豊中キャンパス(大阪府豊中市)内の文系総合研究棟を、シックハウス症候群の発症を理由に一時使用中止にすると発表した。1月末の竣工時には、室内空気中の有害化学物質の濃度が、厚生労働省の指針値以下になっていることを確認していた。

文系総合研究棟は鉄筋コンクリート造7階建て、延べ床面積約6600m2で、主に法学部が使用する校舎だ。阪大によると、室内空気中の有害化学物質の濃度は、竣工時だけでなく4月上旬でも厚労省の指針値以下だった。

しかし使用を開始した3月以降、文系総合研究棟で執務する職員や研究員から、体調不良を訴える声が上がり始めた。4月11日に職員と研究員計2人が、原因物質不明のまま医師にシックハウス症候群と診断されたことを大学に報告した。15日には、頭痛の悪化や吹き出物を訴える学生と、鼻水やのどの痛みを訴える教員も1人ずつ出てきた。

阪大は文系総合研究棟で使用中止後も換気を続けて、建材から有害化学物質が出尽くすのを待つ方針だ。



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